こころの安らぎ文庫

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大腸カメラ体験記

ご覧いただきありがとうございます。さて、私は代々の大腸ポリープ家系であります。私も若いころから、がん化する可能性のあるポリープがいくつか見つかっています。そのため、定期的に大腸カメラを受けています。

 

ところでこの大腸カメラの検査、大腸内視鏡、CFなどといくつか呼び名がありますが、検査予定の方の心配事は、検査の結果も当然そうですが、それに勝るとも劣らない心配なのは「検査が苦しくないか」ではないでしょうか。だってネットの体験記を見ると「苦しかった」「辛かった」などと書かれていますから。そりゃ、怖くなりますよ。

 

そこで大腸カメラを予定している方にむけて、「検査の苦しさ」の苦しさについて述べようと思います。

 

私の場合ですが、今回の大腸カメラの流れはこんな感じです。まず、検査の予定が決まると、予定日の2日前から消化の良い食べ物を食べるよう指示されます。野菜や豆やキノコ類など消化の悪いものは禁止になるんです。まずこれが面倒で苦痛です。

 

そして前日は検査食のみを食べます。3食分の検査食を事前に渡されるのです。それは消化が良く、大腸内に便として残りにくいように工夫されていて、カメラの視界を良くするためにこれだけを食べます。この検査食は3食分あるのですが、そのカロリーが驚くなかれ600Kcalしかないのです!大体成人男性なら1800kcalくらいは食べると思います。女性なら1600kcalくらいが一つの目安かな、と思います。で、検査食はその3分の1くらいのカロリーですから、検査前日は通常の1食分の食事量しか食べられないのです。1日1食と言えば私はGA〇CKTさんを思い浮かべるのですが、みなさまはどうでしょう。彼のファンなら1日G〇ACKTさん体験ができると思えば、むしろ検査食ライフは有意義なものになるかもしれません。しかし、この食事量で仕事をすると、「顔が濡れて力が出ないよ~」というアンパ〇ンマンの様に、パワーがでないんすよね。こんな感じで何とか仕事を終わらせ帰宅します。

 

帰ったら検査食の夕食分を食べ、21時ころから絶食です。恐ろしいことにこの検査、寝る前に多量の下剤を飲みます。夜中うん〇こを漏らす人もいるとかいないとか。私も妖怪夜間下痢下痢ジジイにならないか心配しながら寝ます。

 

いよいよ当日の朝になります。朝からも当然絶食で、8時ころから昼にかけて2リットルの下剤を飲みます。それを飲むと何度もトイレに行くことになります。10回くらいはトイレに行くと思います。腸内の汚れを取り除きながら下剤が便器に流れてゆくのを見届けます。最終的に下剤を飲んでも便は出ず、その下剤が少し色づいて出て来るだけです。そうなると大腸内がきれいになったということで、検査が可能になるわけです。問題なのはこの2リットルの下剤、いくつか種類はあるのですが、多くの人が不味いと感じるようです。おいしいのもあったりするのですが、不味いものも多く、これを2Lも飲むのが苦行と言う人が多いです。私が飲むのは非常に不味いやつです。しかし、前日に600kcalしかとっていないと、おなかが空いて、この2Lの下剤すら美味く感じてしまいますので、2L飲みほしたころにはおかわりが欲しいと思うほどでした。飲み終えたら病院へGO!

 

と、ここまで書いたように、検査までの道のりが長いわけです。だから大腸カメラを辛いと思う人が多いのですよね。特に私のように神経質と言うか、豆腐メンタルな人間にとってはカメラを受ける前から苦行なので、大腸カメラの予約を入れるころになると、激鬱になります。ただ、それは痛みや苦痛を伴う訳ではなく、単に検査を重く受け止める私のメンタルの問題であり、ダイエットのチャンスだ、とかプチ断食の体験だ、等と思える人にとっては何でもないことか、むしろ楽しいかもしれません。

 

で、実際のカメラを入れるときの苦痛についてなのですが、これは明確な答えがあります。苦痛は、医師の技術と、患者の大腸の形や癒着具合によります。言い換えると、うまい先生が行うと、早く終わって何も苦しいことはないです。また、開腹手術を受けた経験のない柔軟性のある大腸ですと、カメラも入れやすく苦痛はその分楽になります。

 

私はお腹の手術を受けた経験があるので、腸が一部癒着して、腸の一部が体内のどこかにくっついて動きにくくなっているところがあるのです。ですから、医師からしたらカメラを入れにくいわけです。その分苦しくなるはずです。

 

ところが、私の主治医はカメラの天才として有名なんです。というか、そういうカメラの上手い先生を自分で探して主治医になってもらったのです。天才主治医は開始から4分で大腸の奥までカメラを入れます。(実は検査中こっそり時間をはかっていました)。しかも何一つ苦痛はありません。腸というのは針を指したり、組織の一部をとってるなど限局的な刺激では痛みを感じませんが、腸全体がうごくような時には強く痛みを感じます。カメラで腸が大きく動くと、めちゃめちゃ下痢しそうなときの腹痛が襲ってきます。私の主治医は腸が動かないようにカメラを入れる謎技術を持っているのです。だから私の様に癒着してカメラを入れにくい難しい腸でも、痛みなくスッと入れることが出来て、サッと検査を終えるのです。

 

したがって、検査の苦しみ自体は、ほぼなしと言ったところです。しかし、大腸カメラは一歩間違えると腸に穴が開くことがあり、うまく行わないとかなり苦痛を感じることがあります。私は医療者でしたので、そういう事例を何件か聞いたことがあります。そういうわけで、これを読まれている方は、お近くに「内視鏡が上手い」という噂のある先生を探して受診するのが、苦痛を最小限にする良い方法といえるでしょう。私の主治医の大腸カメラを苦痛なく入れる謎技術を持つ医師は、実は全国的にいらっしゃるようですので、今後カメラを受けられる方はそういう医師を探すといいと思います。

 

検査結果についての苦しみは、検査中に先生が何か発見しないか、本当にドキドキするようなものです。私の今回の結果は、がん化するポリープが消えてなくなっていたというものでしたので、今回は絶望することが無くて良かったです。

 

以上より、大腸カメラは苦しいと言われますが、検査前の食事制限と2Lの下剤を飲む苦しみは、気の持ち方で苦しく感じたり、なんとも思わなかったりするかなと思います。検査中の苦しみは「うまい医師」にかかることで確実に苦痛を減らすことが出来、本当にうまい先生ですと苦痛はゼロです。私の様に癒着した腸であってもです。

 

以上、何か参考になれば幸いです。

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