こころの安らぎ文庫

元精神科ナースらが立ち上げる電子書籍のレーベル。恵まれない犬猫の為に、売上の全額を犬猫愛護団体(保護実績250頭/年:三重)に寄付しています。

意外と知られていない精神科救急

タクシーがわりに救急車を呼ぶな、と言われる世の中ですが、体の病気で急に異変が起こったら、救急車を呼べば助けてもらえます。

 

しかし、心の病気でも救急がある事は案外知られていない、と言うのが元精神科看護師の私の感じるところです。

 

例えば、うつ病の方が夜中に急に死にたくなったり、自分を傷つけたくなったりした場合、日中でしたらかかりつけ医を急遽受診することも可能ですが、夜中や休日に精神状態が悪くなったらどうしたらよいのでしょう。自殺をしてしまいそうなほど、精神状態が悪化したら、何とか耐えるか自殺してしまうしかないのでしょうか。

 

勿論答えは”No”です。実は精神科にも救急があるのです。これを知らずに、夜間自殺してしまったり、OD(薬を大量に飲むオーバードーズの事)をしてしまっては本当に辛いものです。精神科の救急を担当する病院は、各自治体によりルールは異なるでしょうが、お住まいの都道府県にある精神科の病院が、輪番制で夜間休日などの精神科患者さんの受け入れをしています。

 

私は過去に、大切な患者さんを自死で失ったという過去があります。あの時、精神科救急の存在を知ってくれていたら、一言電話してくれたら助けようもあったのに、と本当に悔しく、自分の至らなさを思い知らされました。

 

私の著書やブログを読んでくださる大切な読者様には、ぜひとも精神科の救急がある事を知って頂き、夜間や休日に困ったらどこに電話すればいいか、調べてみて下さいね。

 

精神科救急のシステムは自治体により異なりますが、「お住いの都道府県 精神科救急」でググったら出てくと思います。それが無理な場合で、万が一にも自殺してしまいそうな時などには救急車を呼んでください。あと、警察に電話をしてみると助けて下さることもあります。

 

夜間休日に困ったら、いのちの電話や、悩み相談ダイヤルに相談するという手もありますが、電話に出た人のスキルはバラバラです。私の場合ですが、過去に何度か、いのちの電話や悩み相談ダイヤル、救急相談に電話したことがありましたが、正直、電話しない方がよかったと思うことの方が多かったです(もちろん熱心な方や精神科の技術のある人もいるとは思いますが)。

 

例えば、ずっと涙が出てきて死にたくて、結構深く自傷行為をしてしまったときに電話をしたことがあるのですが、「外科に行ってください」の一点張りだったこともあります。うつが酷くて辛くてOD(過量内服、オーバードーズ)をしてしまったとき、全身の筋肉が溶ける病気(横紋筋融解症)が出てしまったことがありました。この場合、集中治療室で大量の点滴をしないと死亡する状態だったのですが、救急相談の人は「筋肉痛なら整形外科に行ってください」との一点張りでした。

 

ともかく、夜中や休日に死にたくなったら、精神科救急を頼ってください。よろしくお願い致します。

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