こころの安らぎ文庫

元精神科ナースらが立ち上げる電子書籍のレーベル。恵まれない犬猫の為に、売上の全額を犬猫愛護団体(保護実績250頭/年:三重)に寄付しています。

自殺者は何故?性教育よりも…

いつもお読みいただきありがとうございます。

 

さて、今回ですが、自殺者を悼む気持ちで書かせて頂きます。

 

SNSでの誹謗中傷やいじめななどで

自殺する方が増えている中で

気付いたことが一つあるんです。

それを説明したいと思います。

 

人は体調不良の時、

たとえば熱があったり、おなかが痛かったりしたら

他人に症状を伝え、仕事や学校を早退するなり

医療者に伝えて、治してしてもらうなり

自分を守ることをします。

 

ところが、自殺したい人は

「死にたい」という気持ちで苦しんでいるはずなのに

他人に伝え、助けを求めることをせず

医療者に伝え、治療を受けなかったりして

自殺を決行してしまいます。

 

つまり

「自殺者の『助けてサイン』がない事が増えている」

これが近年、自殺者の報道を見て思ったことです。

 

増えているかどうかはデータを得られないので

推測ではありますが、SNSでの誹謗中傷やいじめで

お亡くなりになった方について調べてみると

「数日前まで元気だった」

「自殺するようなそぶりはなかった」

という情報が得られることが多いです。

 

私は精神科で勤務してにいたので、患者さんから

「死にたい気持ちが強くて苦しい。助けて下さい」

と訴えられることを多く経験しています。

 

だから、自殺したい人は何らかの形で

他人に助けを求めるものだと思っていました。

しかしそうではないのですね。

 

「いきなり死ぬ」

 

これはいったいなぜ起こるのでしょうか?

 

私の推測では

「死にたくなること自体が病的である」

という認識がが

一般社会に浸透していないからではないから

ではないかと思うのです。そして

「死にたくなるのは非常に危険な状態」

であるということが知られていないから

ではないかと思うのです。

 

ですから、自殺者を減らすためには

「死にたいは病気」

「死にたい気持ちは治療の対象である」

このことを、若いころから教えておくことが

大切だと思うんです。

 

よく教育の問題で、をどう伝えるか

性教育が議論の的になります。

しかし私はその前に、をどう伝えるか

生教育が必要なのではないかと

そういう気がしているんです。

 

保健体育の授業などで

  • 熱が出た⇒保健室・病院へ
  • お腹が痛い⇒保健室・病院へ
  • 死にたくて辛い⇒保健室・病院へ

ということをどうやって学ばせるかが

重要な気がしています。

 

あとは自殺したい人が

  • どのようにしてヘルプを求めるのか

をどのように明確にして

 

医療者などが

  • 死にたい理由を解決できること

をどう担保するのかということが

これからの時代に求められている

メンタルヘルスのあり方だと考えます。

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